本研究では、対象地盤領域内の密度変化をX線TV透視装置でモニターすることによって、動的環境外力の作用による地盤の不安定化および物質移動の動態を明らかにすることを目的としている。平成10年度に実施した研究をまとめると、次のようである。 平面変形ホッパー実験; 二次元ホッパーを流下する粒状体媒質の流況をX線TV透視装置により可視化し、粒状体の流動機構におよぼす各種境界条件の影響や粒状体の初期充填構造の影響を把握した。 混合粒径地盤における浸透実験; 異種粒径の粒状体から構成される粒状体地盤を対象として、一連の浸透流実験を行い、浸透流の作用による地盤の不安定化と物質移動現象に関する基礎データを集積した。すなわち、地盤内における間隙水圧分布におよぼす粒径混合比の重要性を明らかにした。最近、X線TV装置による可視化を可能にするために実験土層に水頭差の遠隔操作・制御機構を付加することができたので、鋭意、本格的な浸透流実験シリーズに取り組んでいるところである。 デジタル画像解析プログラムの開発; X線TV透視によって得られる大量の画像データを系統的かつ迅速に処理するため、デジタル画像解析プログラムを開発するとともに、PC-UNIXによる画像処理用ワークステーションを構築した。
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