研究概要 |
地盤汚染域や土層判別のために開発した電導コーンによる測定値の信頼性を調べるために,富士市浮島ヶ原で原位置実験を行った。また,比抵抗と土の種類の関係を調べるために,現地の地層をボーリング調査によって得た。この柱状試料について土粒子密度試験,強熱減量試験,一軸圧縮試験,粒度試験などの土質試験を行った。なお,原位置コーン貫入実験にあたっては,主として次のことを調べることを目的とした。 1. 測定値の信頼性(これまでの調査では,測定値の違いが測定誤差かそれとも土の種類が異なるのか,明確ではなかった) 2. 土層判別の精度(土の種類によって比抵抗が変わることははっきりしているが,定量的な問題が残っている) 1.に関しては,ボーリング調査地点を中心として十字方向に40cm離して電導コーンの貫入試験を行った。その結果,4点における比抵抗の深さ分布は極めてよく一致し,地層が同じであれば,同一の比抵抗が得られることが判明した。すなわち,測定値の信頼性が得られた。また,土のタイプ(砂質・粘性土)によって,比抵抗が大きく異なり,これまでの結果と同様,比抵抗から土層判別が可能であるとの結論はたが,定量的な判別精度については今後検討しなければならない。 これとは別に,地盤の油汚染域の検出を目的とした室内実験を行った。硅砂に濃度を変えて軽油を混ぜ,その比抵抗を測定したところ,軽油含有量に比例して比抵抗が増大することが分かった。また,その増大率は土の含水比に関係することが分かった。今回の結果では,含水比が低いほど,比抵抗に対する油含有率の影響が大きいことが分かった。
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