昨年度、採取整形して現地の地下水中に貯蔵していた供試体について、三軸クリープ試験を実施した。クリープ荷重および拘束圧は、昨年実施した予備試験の結果を考慮して決走した。 試験数を示すと、拘束圧1.0MPaで応力強度比を89〜98%と変えて12個。拘束圧1.5MPaで応力強度比を89、92%と変えて2個。拘束圧2.0MPaで応力強度比を84〜95%と変えて17個。拘束圧3.0MPaで応力強度比を77〜85%と変えて10個。合計41個のクリープ試験を実施した。 しかし、載荷した瞬間に破壊したり、数週間経過しても破壊に至りそうにもない収束クリープの結果が多く、最終的に有効なデータが得られたのは15個に過ぎなかった。この理由は、試料の強度は事前に別の供試体で求められたもので、クリープ試験に供した試料の真の強度が大きく異なっていたことによるものである。 得られたクリープ曲線は数値微分によって、ひずみ速度の経時変化として整理され、その結果から最小ひずみ速度が判定されて、最小ひずみ速度(t_f)と破壊時間(ε_<min>)の間に反比例の関t_f●ε_<min>=1.8×10^<-3>(%) 係があることが確認された。それは次式によって表された。 この式によって、最小ひずみ速度が確認されれば破壊時間を予測することが可能となる。 また、応力強度比を修正する方法を考案し、その手法を適用することによって、応力強度比と破壊時間の関係も見出すことができた。これによって、応力強度比を把握すれば、破壊時間を予測することが可能となろう。
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