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1999 年度 実績報告書

少雪寒冷地流域の土壌特性が融雪流出に及ぼす影響に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09650559
研究機関北見工業大学

研究代表者

早川 博  北見工業大学, 工学部, 助手 (20142797)

研究分担者 内島 邦秀  北見工業大学, 工学部, 助教授 (40003181)
キーワード融雪流出 / 土壌凍結 / 寒冷地 / 流出モデル / 水収支 / 積雪水量 / 熱収支モデル
研究概要

本年度は研究最終年度にあたり、これまで継続してきた水文・気象要素の観測は、融雪流出解析等にほぼ必要なデータが蓄積でき、データベース化に向けた資料整理もほぼ終了した。しかしながら、昨年度支障があったスノーライシメータによる融雪量観測が現在継続中(5月中旬まで)であり、更に今年度の積雪深が既往最大規模であるので、この観測結果も本研究成果報告に追加する予定である。
1.1998-1999 年融雪流出の特徴
本期間中は気温が例年より低く、これまでの最大の積算寒度、約1200(℃・日)を記録したが、11月中旬からの降雪によって地面が覆われ、土壌の凍結は最大で30cmと平年並みであった。積雪深は100cmと多くはないものの、積雪層が良好な断熱材であることを再確認させるものであった。本期間の融雪流出は、土壌凍結が小さい場合の1996年タイプに類似した融雪最盛期に集中する流出特性を示した。
2.融雪流出に及ぼす土壌凍結の影響
流域の土壌凍結は、積算寒度、積雪深と積算暖度の3要素を説明変数とする重回帰式で、その経時変化を良好に再現された。また、融雪流出に及ぼす土壌凍結の影響は、表層土壌の浸透能の低下と間隙水の凍結によって空隙減少による保水能の低下を引き起こす。その影響は昨年度開発した3例4段タンクモデルによって、土壌凍結深度と浸透係数、保水タンク容量の関係を明らかにし、土壌凍結を考慮した融雪流出解析手法を確立して、良好な再現結果を得ることができた。
3.実流域における土壌凍結の影響
北見と同じく少雪寒冷地域に属する十勝川の3支流流域において融雪流出解析を行った結果、流域の規模が大きくなると、そのスケールの効果によって本試験地で得られた融雪流出特性が埋没してしまい、土壌凍結の影響はハイドログラフに明確な違いとして表れないことが判った。ただし、土壌凍結の影響は、融雪期間中の流出率の違いに明確に表れた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 松本隆: "凍結土層の存在を考慮した融雪流出モデルに関する研究"土木学会北海道支部論文報告集. 56号(B). 230-233 (2000)

  • [文献書誌] 木口満: "降雨流出系の周波数領域における過渡応答特性"土木学会北海道支部論文報告集. 56号(B). 270-273 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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