• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

都市河川の風道効果による熱・水蒸気輸送機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09650561
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京工業大学

研究代表者

神田 学  東京工業大学, 工学部, 助教授 (90234161)

キーワード風道効果 / 海風フロント / ヒートアイランド / 都市河川
研究概要

平野部河川(荒川)と河川に平行した隣接市街地域における海風の侵入挙動と熱・汚染物質の時空間分布の解明を試みるため,荒川河川沿いで気象観測を行った.平成9年7月後半に放球ゾンデ・係留気球を用いた荒川上空の気象観測を集中的に行い,また同月中旬から8月中旬にかけて荒川河川敷内および河川周辺の市街地の合計20地点において連続気象観測を行った.係留気球によって得られた鉛直気温分布の時系列データを解析した結果,河川に侵入する海風の立体的な挙動が捕えられ,上空大気の下層部分において海風の先走り現象が明らかになった.また多点連続観測およびアメダスや気象官署などの関東地域の気象資料を用いた客観データ解析の結果より得られた海風の侵入時刻をみると,海風が隣接市街地域よりも河川上で早く侵入していること,この現象は河口付近で強く見られること,関東域の大局的な風系と荒川の流軸方向が一致する場合にこの現象が顕著になることがわかった.上記観測と気象資料より,汚染物質の濃度挙動についても河川内外で違いが見られ,周辺市街地域で発生した汚染物質が河川上に輸送・集積されていることが定性的に示された.今後,4次元同化手法とマルチネスティング手法を併用させた局地気象モデル(RAMS)を応用して,河川近傍における解像度と精度を向上させた大気流動の数値シミュレーションを行い,上記の観測結果を検証するとともに,海風の侵入メカニズム,河川空間における,熱,水蒸気,汚染物質輸送過程を明らかにする.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 福田忠弘,鹿島正彦,鈴木譲,神田学: "海風前線マップの作成による都市河川の海風効果の検証" 水工学論文集. (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] 福田忠弘,神田学,西村修,鵜野伊津志: "甲府盆地の風系タイプと汚染物質挙動" 日本流体力学会年会′97講演論文集. 471-472 (1997)

  • [文献書誌] 神田学,井上裕史: "数値シミュレーションによる環八雲の再現性について" 日本気象学会1997年春季大会講演予稿集. 234- (1997)

  • [文献書誌] 森脇亮,神田学,横山仁,高柳百合子: "都市内大規模緑地のもつ大気保全効果の評価" 日本流体学会年会′97講演論文集. 477-478 (1997)

  • [文献書誌] Tadahiro FUKUDA, Masahiko KASHIMA, Jo SUZUKI and Manabu KANDA: "Verification of wind channel effect of urban river by making of sea breeze front map." International symposium on monitoring and management of urban heat island.Proceedings. 208-214 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi