全幅24cmのアクリル製開水路の片岸側を2つのアクリル製箱で仕切り、この2つの箱の間を空けることにより、幅5cm、奥行き5cmの正方形ワンドを作成した。全幅の一部を箱で仕切ったことにより、本川川幅は19cmとなる。勾配が約1/490のこの水路に、流量Q=2.16l/sの水を流して等流を作り、ワンド内を主とした流速分布の測定を二次元光ファイバー流速計を用いて行い、これとは別に、同じ水理条件で本線上流で給砂した場合のワンド内への土砂の堆積状況を調べた。流速測定は高さの異なる7水平面に対して行われ、給砂実験では10分間に240gの割合で乾燥標準砂を手動で投入し続け、ワンド内への堆積がほぼ平衡となる48時間後までの堆積状況を観察した。また、実験終了後には、ワンド内の堆積砂を集めて、堆積体積を測定した。 ワンド内の流れの状況は、各層(水平断面)とも正方形ワンドの中心付近を中心とした同心円に近い流速ベクトルとなるが、流速が大きく、その結果、遠心力も大きくなる水面付近ではやや外向きで、流速の小さな底面付近では遠心力が小さいためやや中心向きの流速ベクトルとなる。このため、ワンド内への砂の堆積は中心付近が頂点となる山形となる。また、本川とワンドの接合部では、土砂を含んだ底面付近の流れがややワンド奥向きに流れ込み、土砂を含まない水面付近の流れがやや本川向きに流れ出るため、ワンド内へは本質的に砂が堆積しやすい流れの構造となっていることなどが明らかとなった。
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