1.岡山市都心部を対象地域として、主要幹線道路網を構成する各リンクの全地球座標を、デジタル地図MapFanIIを用いて検出し、そのデータベース化を行った。 2.GPSアンテナ(インクリメントP社製ET-GPS1)をノートパソコン(NEC製PC-9821Nr166)に繋ぎ、これを自動車に搭載して人工衛星を用いたGPSによる車両位置のコンピュータへの即時入力システムを作成した。 3.対象道路網上での走行実験を多数行い、走行経路上のリンク所用時間等得られた走行経路に関する諸情報を知識データベースとしてコンピュータ上に整理・保存するシステムを作成した。 4.諸条件に応じた道路網上での自動車交通流を、パーソナルコンピュータ(エプソン社製VMK2600)を用いたシミュレータによって代替再現し、上記の知識データベースに基づいて目的地までの経路の所用時間を予測して、最適経路を算出するシステムを作成した。 5.上記の研究の結果、車載のGPS機器とノートパソコンによって走行経路情報をコンピュータに自動入力し、これを基にした最適経路算出が可能であることがわかった。 6.シミュレーションによって、上記の最適経路算出の演算精度を算定した結果、実用的な精度で経路算出が可能であることがわかった。 沿道に高層ビルがあるときには、GPSアンテナの位置検出精度が低下し、走行経路情報のデータベース化に若干の障害のあることがわかった。このため次年度においてはこの点の改善を図る予定である。 8.次年度においては、これまでに作成したハードウェアー、ソフトウェアーの部分システムを統合し、自己学習機能を有する知的ナビゲーションシステムとしてその評価を行う予定である。
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