研究概要 |
公共交通や自転車・歩行者施設整備、交通管理、交通需要管理方策といった、互いに補完し会う一連の対策を組み合わせるパッケージ・アプローチの効果,特に、利害関係者の合意形成上の利点に着目してその効果を探る研究を進めてきた。。 最終年度の本年度は都心アクセス交通管理を対象として、施策個別案とパッケージ案に対する意向形成に対し、個人属性とライフスタイル、組み合わせる施策の実施レベルを含めた影響を分析した。 昨年度は多様な施策の組み合わせに対する賛否反応に対して、意向形成を効用モデルで説明する手法を開発し、これを用いてパッケージ施策の構成による利害調整効果のメカニズムを把握した。 今年度は、個々の具体的な施策について、料金やサービスレベル、実現する交通時間を変化させた場合の賛否意識および手段転換以降に着目し、さらにこれらの施策を組み合わせるパッケージによる交通管理施策の代替案を作成し、賛否反応、手段転換意向を調査した。今回の特徴として、イギリス等で議論されている実現可能性の高い自動車抑制策として、都心流入路の交通容量削減と駐車場課税システムを核として、バス・鉄道・自転車の利用促進策を組み合わせたパッケージを設計している。このアンケート調査を徳島市以外の広域地域を対象として、拡大して実施した。 次に、個人の交通利用環境,属性,ライフスタイルなどが,交通需要管理に対する賛否反応、転換意向にどのように影響するかを、マーケティング手法であるセグメント分析を行うとともに、ランダム効用モデルを用いて意向反応の要因を分析した。この結果、個別施策のサービスレベルや費用負担のレベルの影響が把握できるモデルを開発できている。
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