研究課題/領域番号 |
09650590
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
柏谷 増男 愛媛大学, 工学部, 教授 (00026254)
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研究分担者 |
二神 透 愛媛大学, 工学部, 講師 (40229084)
朝倉 康夫 愛媛大学, 工学部, 教授 (80144319)
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キーワード | 地域計画 / 過疎山村 / 公共施設配置 / 道路ネットワーク / 道路網評価 / 救急医療サービス |
研究概要 |
本年度は1.高速道路整備によって広域的な救急医療施設が受ける恩恵を、時間短縮効果と立地点移動効果とに分離し、それらと交流・連携概念との関連を分析すると共に、2.上浮穴郡の救急医療サービスの実態及び道路網と施設配置との関係の調査分析を行なった。 1. 高速道路整備と広域施設の交流・連携効果 平成10年に発表された新しい全国総合開発計画では高速道路整備網を利用した交流・連携によってより高度な施設を享受しうると述べているが、交流・連携の具体的定義は明らかでない。本研究では、施設立地点を固定させて交通網を変化させた場合の効果を交流効果、交通網を固定させて施設立地点を変化させた場合の効果を連携効果と定義し、P-median、MCLP等の施設配置モデルを用いて定量的に分析しうることを明らかにした。また、四国の高速道路整備を対象とした計算により、高速道路がないときに比べて高速道路があるときに連携効果は大きくなること、小数の施設数に連携効果が特に大きいこと等がわかった。 2. 上浮穴の救急医療サービス及び道路網と施設配置 愛媛県上浮穴郡は面積約700Km^2、人口17,000人の地域である。救急車の現場到着時間10分以内の割合は、松山市90%に対して、63%に過ぎず、サービス水準は低いが、1世帯あたり救急自動車数は松山市の27倍と負担は大きい。上浮穴郡を181の地区に分け、郡内の道路を実査して道路ネットワークと所要時間のデータを得た。これらのデータを用いて、現場到着時間10分を確実に確保するための最適施設配置問題を解くと実に31施設が必要と計算された。現在の施設数は3であり、これはMCLPモデルの許容距離10分のケースの計算結果と酷似しており、その時の集落カバー率は65%であった。
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