本研究は、3年間をかけ自動車から排出される環境負荷量の推計を精度高く行うための交通量推計手法を開発することを目的としている。本年度は、第1年目であり、以下の3項目について検討を行った。 1.断面交通量、及びOD交通量の変動特性の把握 2.貨物車の経路選択特性の把握 3.走行量を精度高く推計する手法の開発 これらの各項目について、今年度得られた主な成果は、以下の通りである。 1.大都市の一般道路の断面交通量はほぼ正規分布し、その変動は、月変動、曜日変動、週変動、偶然変動に分割できる。 またOD交通量の調査精度は、断面交通量の調査精度に比較し数倍程度悪く、適切な修正が必要である。 2.貨物車は、一般道路と都市高速道路を、両道路の走行距離の違い、走行費用(燃料費+人件費+道路利用料)の違い、高速道路の出口から目的地までの距離を考慮して、選択している。 3.断面交通量を用いてOD交通量を修正することにより、走行量の推計精度は大幅に向上させることが可能である。 この走行量の推計精度は、交通量が知られている道路断面の数の増加に伴って改善されるが、その向上の程度は、全道路断面の半分程度の断面交通量が知られている時が高い。 これらのうち1.2.については、学会で既に発表した。
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