ゴミの減量化と資源化の促進を目的として、生分解性プラスチックの分解速度を加速化する技術の開発を試みた。まず、PVA(ポリビニルアルコール)-デンプン系プラスチックをモデルに選び、PVA分解菌/酵素およびデンプン分解菌/酵素の適用による分解試験を行った。自然環境や、廃棄物処分場、コンポスト化の過程を模した活性汚泥による分解試験では、至適条件においても、プラスチックフィルムの形状崩壊は認められず、重量減少も40%以下にとどまったのに対して、デンプン分解菌/酵素の適用では形状崩壊は達成できなかったものの、短期間で重量減少が50%に達した。また、PVA分解菌/酵素を適用した場合には、最適条件での重量減少は約5日間で70%になり、フィルムはバラバラに崩壊した。特に酵素の適用では、細菌の増殖や酵素誘導にかかる時間が不要であり、酵素がフィルム内部にまで浸透しやすいため、効率的な分解が達成されたものと考えられる。従って、埋立処分やコンボスト化における減量化速度を向上させる手法として、プラスチック構成成分を分解する酵素の利用が極めて有効であることが示された。一方、市販の酢酸セルロース系プラスチックフィルムについても、リパーゼやセルラーゼを適用し、その分解加速化を図ったが、重量減少は僅かであり、分解酵素の活用のみでは分解が達成できないプラスチックもあることが示唆された。そこで紫外線照射による前処理を行った後に酵素適用による分解を試みたところ、最高で約60%の重量減少が達成された。
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