研究概要 |
酸性降下物原因物質であるSO_2は、人為によるものばかりではなく、火山の噴気にも含まれている。太田等^<1)>が推定した九州の火山のSO_2放出量は年間約1000Ggで、秋元等^<2)>の推定した九州全域の人工SO_2放出量59.7Gg/yより多く、無視できないものと思われる。火山からのSO_2放出量は太田等によれば桜島(723 Gg/y)が最も多く、ついで阿蘇(135 Gg/y)、諏訪之瀬島(115 Gg/y)となっている。九州からの気団が福井に到達するのは主として太平洋高気圧の勢力が強く、南海上から気団の来る7,8,9月であるが、前年度のTrajectory解析によると^<3)>、その他の月も1,2日は空気が九州から福井に来ている。前報と同じく1993年を例にとり、九州を通って気団が福井に来る場合について計算したところ、火山噴気の福井における酸性降下物への寄与は最大で4割と見積もられたが、Plumeの中心が福井を通過するときは7割にも達することを知った。 参考文献1) 太田一也、藤田慎一、外岡豊:“日本における火山起源SO_2放出量の検討"第31回大気汚染学会講演要旨集442(1990) 2) H.Akimoto and H.Narita:“Distribution of SO_2、NO_x and CO_2 Emission from Fuel Combustion andIndustrial Activities in Asia with lxl Resiolution"Atomospheric Environment 18.727-737(1994)3)井上頼輝:“福井における酸性降下物の由来"土木学会第6回地球環境シンポジウム講演論文集79.84(1998)
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