複数構造物周りの流れは、複雑な様子を呈する事が知られている。そこで角柱にモデル化した複数構造物群周辺の気流の相互干渉の様子及び構造物に作用する流体力の評価を、3次精度上流有限要素スキームを用いて数値解析的に捉える事を目的として研究を行った。 計算のモデルには2本の正方形角柱とし、これらの角柱を流れに対して直列と並列に配置し、その間隔比の変化によって流れがどのように変化するのかを数値的に捉えた。計算では間隔比を1から4まで変化させた。 2本の正方形角柱を流れに対して直列に配置したときには、間隔比が3のときに両正方形角柱に作用する抗力が急激に変化し、ストローハル数は最も小さな値となることが実験結果から知られている。数値計算では、これらの現象を定性的にも充分に捉えることができた。 また、2本の正方形角柱を流れに対し並列に配置したときには、各々の角柱に作用する抗力と揚力は対称にならないことが実験結果から知られている。これらは実験でも数値計算でも、微妙な誤差によるものである。数値計算結果ではこのような現象を捉えることができた。しかし、計算は2次元解析のため、得られた抗力は実験結果と比較して大きい。 以上、2本の正方形角柱の空力特性を数値解析により評価することができた。
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