研究概要 |
本年度は次の研究を行った。 1)空調システムの不具合による非省エネルギー性の感度解析:空調システムの不具合として,ダクト末端の圧力センサー異常,冷水系の圧力センサー異常,冷水コイルのスケール付着などを想定し,この不具合による消費エネルギーの増加を空調システムのシミュレーションツールであるTRNSYSを用いたシミュレーションで確認した。この結果は1997年8月の空調学会大会で「空調システムの不具合がエネルギー消費に与える影響」として発表した。 2)実ビルへの故障の導入:東京電力の研究センターで行った空調システムのVAVユニットへ故障を導入し,その発見・診断ができるかどうかの実験と,その手法について研究した。この成果はデータを国際的に公開することを宣言して,国際エネルギー機構の研究会であるAnnex34で「Implementing Faults in HVAC Systems of Tokyo Electric R&D Canter」として発表した。 3)空調システムの省エネルギー:蓄熱槽システムの利用によりCO2削減を図ることが我が国でも推進されることが決定した。しかし,その多くの運転は人間の感で運転されている。そこで,ARXモデルを用いて明日の熱負荷を予測し,その熱負荷情報を基にシステムシミュレーションして効率的な運転方法を見いだす運転する手法を提案した。この手法は実ビルへの適用結果と共に,「Rational Operation of a thermal storage tank with load prediction scheme by ARX model approach」として,第5回IBPSA国際会議で報告した。
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