研究概要 |
地球環境問題の中でも,特にCO2の削減,ないしは1990年レベルでの凍結に関して早急な対応が求められている.建築関連においても,CO2の発生の寄与がわが国の総発生量の1/3を占めると推定されており,今後多くの努力が求められるのは必至である. 建築関連のCO2の発生の大半は運用時のエネルギー使用によることが明らかになってきており,その意味で省エネルギーが今後ますます重要と認識され始めた.本研究では,設備の中でも多くのエネルギーを使用する空調システムを対象に,運用時の省エネルギーを達成するための手法の開発に取り組んだ. 本研究では, 1)東京電力の研究棟で測定された実測データを用いて,可変風量(VAV)システムの不具合を自動的に検出し診断するARXモデルを用いたアルゴリズムを開発し,その性能やロバスト性を,システムシミュレーションや実際のデータで検証し,その実用性を検証した. 2)蓄熱槽システムの熱負荷予測を天気予報と過去の観測データを用いて推定するARXモデルを用いた新しいアルゴリズムを開発し,実際の建物が得られたデータで有用性を確認した. 3)予測熱負荷を用いて蓄熱槽を省エネルギーの面から最適に運転する手法を開発しその効果をTRNSYSなどのシステムシミュレーションを適用して調べた. 4)某大学のエネルギー消費が気候,使用方法などとどのように関係するかを解析し,現実の問題点について省エネルギーの観点から検証を加えた.
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