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都市近郊の住宅地域を対象として、隣接住戸の影響を考慮した住宅群の暖冷房用エネルギー消費量および室内の熱・光環境を評価するための基礎的研究を行い以下の成果を得た。
1) 住宅の環境計測
茨城県に建つ実験住宅について夏季の実測を行い、隣接住戸の影響を含めた熱環境、熱負荷に係わる周囲環境についての基礎資料を収集した。また、東京の住宅地のソーラーハウスについても夏季、冬季の室内環境、屋外周囲環境について実測を行い、シミュレーションモデル検証用およびシミュレーション条件設定のための資料を蓄積した。
2) 住宅の環境・エネルギーシミュレーション手法の拡充
これまでに開発してきた建築熱環境・エネルギーシミュレーションのための汎用プログラムについてのアルゴリズムの追加を行った。高精度近似多数室計算モデル、放射冷暖房パネル、冷却除湿負荷の計算モデルなど冷暖房システムのエネルギーシミュレーションをより詳細に行う手法を整備した。また、太陽熱暖房給湯システムのある住宅についても適用可能であることを確認するとともに、都市における住宅として、今後、検討が必要な集合住宅についての適用方法も示した。
3) 周囲環境の放射計算モデルの開発
隣接住戸や任意形状の障害物を考慮する場合の日射(短波長放射)および長波長放射の計算モデルを構築した。日射については対象建物周囲の物体の影についてのアルゴリズムを検討し、プログラムも試作した。また、大気放射や地物からの放射などの長放射については形態係数算出のアルゴリズムおよび外部環境の温度設定方法について検討し、計算方法を提案した。また、これら周囲環境の日射および長波長放射計算アルゴリズムの汎用プログラムへの組み込みを行った。
4) 隣接建物を考慮する環境・エネルギーシミュレーション
戸建て住宅について、住宅の配置モデルを作成し、シミュレーションにより建物周囲障害物による日射遮蔽効果や長波長放射環境の影響を検討した。
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