本研究は、環境学習施設の建築計画に関する知見を得ようとするものであり、以下のような様々な方法で考察を行った。 1.資料・文献による施設像の確立:国内外の博物館、水族館、エコミュージアム、環境科学研究所などの動向を、文献や実例の資料により把握した。 2.各種施設(自治体環境関連施設、各種博物館、野外博物館水族館、動物園、エコミュージアムなど)の活動内容と建築空間の把握(訪問ヒアリング調査・資料収集) 3.都道府県における環境学習施設の施設・活動実態調査(アンケート調査):全国の自治体における環境学習拠点施設の実態を調査したことにより、これまで様々な分野から設置されてきたこの種の施設に関して、総合的な把握ができた。 4.博物館における活動実態調査(アンケート調査):各種の博物館における環境学習活動野傾向が、統一的な調査票を用いることにより、その種別間比較などを行うことができた。 5.環境学習プログラム、学校教育との関連に関する調査(訪問ヒアリング):様々な施設においてそれぞれ、学校教育との多様な連携が求められていることが分かった。 6.学習現場における空間的対応の行動分析(行動観察):各種の施設における学習行動の観察を踏まえ、とくに積極的な環境学習施設のひとつとして、水族館における具体的な観覧行動を詳細に分析し、その混雑具合と空間特性によって、学習行動に違いが生じることが明らかになった。
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