研究概要 |
平成9年度の研究においては,これまでに生活博物館活動によるまちづくりの可能性を探るための以下の作業を行った。 (1)生活博物館的活動の先行事例の検証 まちづくりと連動しつつある事例として,東京墨田区の「小さな博物館」活動のシステムを把握するために,区行政での位置づけとその実態をヒアリングで把握した。さらに,区内の小さな博物館について活動実態と各館長の運営意識を検討した。 (2)研究対象地における博物館的施設のピックアップと運営者の意識の把握 調査対象地での「みつはま生活博物館」活動に参加している15館を中心に,館主(店主)に対して,ヒアリング調査を行い,生活博物館への参加意欲とまちづくりへの期待度を検討した。 (3)子どものためのまちづくりと学習との関連性の把握 まちづくり活動に積極的に参加している中学生グループを中心に,みつはま生活博物館活動とまちづくり学習を連携したマップ作業をしつつ,その可能性を探った。 以上の研究結果から,生活博物館活動は,まちづくり運動及びまちづくり学習と十分に連動できること,子どもにとって,「まち」及び「まち」の「モノ」「ひと」を知ることによって,まちの問題点と空間認識が広がることが検証できた。次年度の子どもと大人の協働型まちづくり学習の提案に向けて,有効な結果が得られた。
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