研究概要 |
建築空間のスケールと形態がどのような行為を可能と認識させるかについて、今年度は、台状のもの、間仕切・開口部等の空間エレメントに注目し、寸法・形態によってどのように認識のされ方が変わるかを、観察・実験によって明らかにした。 1,空間のスケール・形態と行動との対応の観察・収集 さまざまな空間に対応する人間行動の観察により、スケール・形態等の空間の物理的特徴がどのような行動を可能と認識させているかを探る一環として、特に「空き缶等を置く」行動に注目し、放置される空き缶の実態を調査し、「置く」という行為をアフォードする置かれている場所の物理的特性を検討した。 2,間仕切・開口部のスケールと形態のアフォーダンス 平面形が5400mm×3600mm天井高2700mmの空間の中央に形状・大きさを変えられる間仕切(場合によっては間仕切壁に開けられた開口部ともとらえられる)を設け、それを体験する人間が、その空間をどのように認識するかを実験により明らかにした。 間仕切に対しては、被験者20名に、間仕切によって空間が使い分けられるかどうか、空間が開放的かどうか、自分の場所を確保できるかどうか、間仕切の向こう側にいる人について何をしているか分かるか、会話がしやすいかについて尋ねる実験を行った。 開口部に対しては、被験者20名に、空間がいくつあると感じるか、自分の場所を確保できるか、開口を言葉で表現すると何か、通過しやすいかについて尋ねる実験を行った。
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