建築空間のスケールと形態がどのような行為を可能とさせるかについて、何かを置く台状のもの、間仕切・開口部等の空間エレメントに注目し、寸法・形態によってどのように認識のされ方が変わるかを、観察・実験によって明らかにした。 1.空間のスケール・形態と行動との対応の観察・収集 スケール・形態等の空間の物理的特徴がどのような行動を可能とさせているかを探るため、一つの特徴ある例として、「空き缶を置く」行動に注目し、街中に放置された空き缶の置かれている場所の実態769例を調査し、「置く」という行為をアフォードする置かれている場所の物理的特性を分類・検討した。 2.間仕切・開口部のスケールと形態のアフォーダンス 平面形が5400mm×3600mm天井高2700mmの空間の中央に形状・大きさを変えられる間仕切(場合によっては間仕切壁に開けられた開口部ともとらえられる)を設け、それを体験する人間が、その空間をどのように認識するかを実験により明らかにした。実験は、被験者20名に、間仕切によって空間が使い分けられるかどうか、使い分けられるとするといくつに使い分けられるか、空間が開放的かどうか、自分の場所を確保できるかどうか、について尋ねる実験を行い、間仕切りの大きさ・位置との関係を明らかにした。また体験する被験者の位置・姿勢の違い、間仕切りと視線との関係についても検討した。
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