スペースブロック表記を利用したデジタルデータベースをインターネット上に構築するために、現実の建築・都市空間の中からサンプルを選び、実地調査を行いデータ構築を行った。 予備調査は平成9年秋に東京フォーラムのガラス塔で行った。本調査は平成9年12月に、ポンピドゥセンター前広場(パリ)、オルセ-美術館(パリ)、ラ・トゥーレット修道院(リヨン)、ヴィットリオ・エマニュエル二世のガレリア(ミラノ)、カンポ広場(シエナ)、ウフィツィ広場(フィレンツェ)、カンピドリオ広場(ローマ)、パンテオン(ローマ)、チステルニ-ノ(南イタリアの小都市)の広場と袋小路、などを対象に行った。 いずれも、特徴的な空間として評価が高く、周辺を壁などによって取り囲まれていて、スペースブロック表記を適用するのに容易と思われるものを選んだ。各調査対象とも視点を決め、そこからの360度あるいは180度のデジタル画像を撮影している。これらを元に、Quick Time VRの技術を利用したインタラクティブな見回し映像を作成中である。 また、デジタルデータベースには、短時間のものであれば音声を含んだ動画を収録することが可能である。そこで、場所の雰囲気をよりよく再現するために並行してビデオ画像も撮影しており、編集作業を進めている。 平成10年度には、壁などに囲まれていない空間をスペースブロック表記する技法も開発し、同時に教育ツールとして利用することを計画している。
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