スペースブロック表記を利用したデジタルデータベースをインターネット上に構築するために、現実の建築・都市空間からサンプルを選び、現地調査をもとにデータ構築を行った。 平成9年度には、ポンピドゥーセンター前広場(パリ)、ラ・トゥーレット修道院(リヨン)、ヴィットリオ・エマニュエル二世のガレリア(リヨン)、カンポ広場(シエナ)、パンテオン(ローマ)、チステルニーノ(南イタリアの小都市)の小広場、など、境界が明確で比較的スペースブロック表記が容易な事例の調査を行った。 平成10年度には、光の効果を生かしたフィンランドにあるアルバ・アアルトの作品群、ベルリン国立ギャラリー、ギャラリーラファイエット百貨店(ベルリン)、クンスタル(ロッテルダム)などの近代・現代の建築を中心に、スペースブロックでの表記に工夫が必要と思われる事例の調査を行った。 いずれもその空間内の一つないし複数の視点から、周囲を見回した画像を収集した。これらのデータをもとに、コンピュータ上でインタラクティブに見回すことのできるQuickTimeVRの技術を利用して、データベースを構築した。このデータベースによって、図面や1枚の写真だけはわかりにくい、取り囲まれた空間の雰囲気を再現することでできることがわかった。 また、この見回し画像のデータに様々な加工をして比較することで、ある空間の雰囲気を再現するには、その空間の特性によって、複数の点からの見回し映像が効果的である場合、照明と反射光が重要である場合、隣接する空間や外部空間とのつながりが意味をもつ場合、天井や床の素材が影響する場合などがあることが具体的に示された。(東京、名古屋の女子大学生を対象)のデータを集計し、デパートのスキーマについて考察を行った。
|