本研究は小・中学校における情報通信メディアの導入、活用に関する実態と意識、情報教育の展開状況をもとに、施設・設備の計画のあり方について提案することを目的とする。 平成9年度はコンピュータを中心とした情報環境、活用方法に関する教師の意識とコンピュータの設置及びインターネットの接続状況の実態を把握するために100校プロジェクト、こねっとプランの参加校のうちWeb上にホームページを公開している学校を対象としてEメールによるアンケート調査を行い、小学校127校、中学校130校から回答を得た。 平成10年度は情報教育に特色がある小学校5校、中学校2校を選び、ヒヤリング調査を行った後、コンピュータの設置状況の家具配置、実測調査を実施し、実際の授業展開についてタイムスタディを行い、19の授業パターンを採取した。研究の進行にあたってはアメリカ、ウィスコンシン大学オークレア校教育学部において研究のレビューを行ったが、その機会を利用して3つの市において教育委員会のメディアスペシャリスト及び学校の教職員との意見交換及び情報収集を行った。 これら調査の整理、分析結果をもとに、コンピュータの集中配置と分散配置、コンピュータ教室自体の計画、学校図書館(Instructional Media Center)の情報化、双方向通信を利用した交流授業のための環境整備、校内ネットワーク、地域ネットワークの構築等を含めた学校内の情報環境の整備の在り方について具体的な提案を行い、同時にその円滑で効果的な利用、運営のための条件をまとめている。
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