研究課題/領域番号 |
09650687
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大谷女子短期大学 |
研究代表者 |
藤本 佳子 大谷女子短期大学, 家政学科, 教授 (30123540)
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研究分担者 |
八木 康夫 大谷女子短期大学, 家政学科, 専任講師
井上 徹 大谷女子大学, 文学部幼児教育学科, 助教授
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キーワード | 分譲マンション / 建替え / 手法 / 管理組合 / 補修 / 補強 / ストック / 新開発 |
研究概要 |
本年度は、建替えか復旧かの住民合意が得にくい被災分譲マンションを対象に事例研究を実施した。震災直後から1998年3月上旬まで、被災マンションの復興過程における問題点とその解決方法を明らかにし、分譲マンション建替えの資料とする。 調査対象の選定は、区分所有者であるが、管理組合で小数意見者である人達の集りである被災地クラブの活動実態を通して、詳細な聞取り調査を実施している。復興への途中経過を発表できる12事例の一部を報告するものである。調査期間は、1995年1月20日から1998年3月8日である。あくまで、事例調査の途中経過報告であることを断っておく。 調査結果は、建替え・復旧が進まなかった理由の共通点として、(1)管理組合の合意形成の困難さ、(2)資金問題、(3)建物の既存不適格、(4)相談すべき専門家がいない、(5)正しい情報や知識が得にくいの5点が指摘できる。 (1)管理組合の合意形成の困難さ:住民に補修、建替え・再建に対して知識のある人が少なく、外部(マスコミなど)の意見に左右されやすい。今後の資産価値を優先させる若年層と居住価値を重視する高年齢層の存在、管理会社に任せきりで区分所有者に問題意識が稀薄、住民同志の話合う機会の少なさ、期限付公費解体の影響などがその理由として挙げられる。(2)資金問題:勤労者と年金生活者による生活条件の違い、建替えの場合は、抵当権の抹消や二重ローンの問題がある。(3)・建物の既存不適格:法律の改正による住戸数の減少への対応がない。(4)相談すべき専門家がいない:復旧および建替え・再建に対する、住民への十分納得のいく分りやすい説明ができる専門家がいない。・正しい情報や知識が得にくい:誤った情報が正しい情報より先に流されると、住民や管理組合理事会に先入観を与えた。
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