本年度は、大きく2つの調査研究を実施した。 一つは、昨年度に引き続き、建替えか復旧かで住民合意が得にくかった披災した分譲マンションを対象に、被災地クラブに参加しているマンションの活動記録を詳細に取るなどの継続調査を行った。今年度は、12参加マンションの内、常時、被災地クラブで活動している7事例である。調査時期は、1998年4月から1999年2月である。 もう一つは、建替え・再建がなされた分譲マンションの中から、地域別、建替え・再建の事業手法別に23マンションを抽出し、アンケート調査により居住者の住宅評価を明らかにした。調査時期は、1998年12月から1999年1月である。 その結果、前者について、建替え決議無効の裁判を起こした原因は、(1)建替えた方が高く売買でき、今までの住宅ローンも完済してまだ利益があると思っていた、(2)都市計画上の遂行のし易さ、(3)建設業者の受注高のによることなどを指摘して事業の手続きの不当性を訴えたことが、明らかになった。 後者について、従前マンションより、従後マンションの住宅および環境評価が高くなったことが明らかになった。復興までの計画は、ほぼ満足だと回答した費とが多いが、特定の事例ではな7割以上が不満であると回答したところもあった。建替えした理由は、建物の被害を第1理由とし、次に公費解体のためと、このことが建替えを促進させたことが、区分所有者の意識からも明らかになった。
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