高齢者や障害者の住宅改善に関する専門的技術者(理学療法士や建築技術者)が、日常的・継続的支援者である保健婦や訪問看護婦などから提供される当事者の情報をもとに、頻回に現場に臨むことなく有効な住宅改善プランを立てることの可能性を検討し、それに必要な当事者情報(アセスメント票)について、その内容項目と書式を明らかにしようとした。 この目的のため、和歌山県古座川町および千葉県松戸市をフィールドとして選定し、また専門的技術者として住宅改善の経験豊富な東京の理学療法士と建築技術者に支援を依頼した。保健婦から専門的技術者へのケース情報の提供、専門的技術者のプラン立案、その後の専門的技術者による訪問確認を行い、アセスメント票の問題点を検討した。 古座川町の実験では以下のことがわかった。専門的技術者への提供情報として、見取図(間取りと生活動線など)が有効と認められたが、周辺環境の情報も必要とされた。また個別支援の前提として、地域の住文化・生活文化、社会資源を理解するための情報を何らかの形で担保することが必要である。アセスメント票の課題としては、「生活改善意欲(本人の改善希望)」「支援者としての目標」「経済状況」「外出条件としての周辺環境」の情報も加える必要がある。 これをもとにアセスメント票の手直しをし、松戸市で同様の実験を行った。これについては現在分析中である。
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