高齢者や障害者の住宅改善支援を住宅改善のスペシャリストが遠隔地から支援する目的で開発したアセスメント票を試用し、在宅ケアの日常的・継続的支援者(ジェネラリスト)に対して住宅改善支援の動機づけを行なうプログラムを実践し、それに関する評価を行なおうとした. この目的のため、北海道幌加内町をフィールドとし、地元のジェネラリストのワーキンググループがニーズ調査を行ない、ケアプランおよび住宅改善プランの立案を5ケースについて実施した.そのアセスメント情報にもとづいて遠隔地のスペシャリスト(建築士と理学療法士)が改善プランを立案した後、ジェネラリストとスペシャリストの同行訪問によって現地の確認を行なった.この一連のプログラムについて、参加者の評価を実施した. 日常的に支援をしている事例について、あらためて住宅改善のニーズ調査を行ない、ケアプランや住宅改善プランを自ら立案したうえで、スペシャリストと同行訪問することによって、住宅改善支援におけるジェネラリストの役割とその具体的方法を学ぶことができたと参加したジェネラリストは評価した.このプログラムが住宅改善支援の動機づけを与える可能性が示唆された.また、スペシャリストが遠隔地から訪問せずに改善プランを立てるためのアセスメント情報として、アセスメント票(見取り図を含む)、写真、VTRの活用とその表現手段を提言する一方で、その限界も提示した. ジェネラリストの住宅改善支援に関する力量形成の手段としてアセスメント票を活用し、スペシャリストの遠隔地支援を当面利用しながら、地域での支援ネットワークを形成する方向性が提示された.
|