関連資料として、国立国会図書館、防衛庁防衛研究所戦史資料室、国立公文書館、北海道立図書館、北海道大学付属図書館、北海道立文書館、札幌市立中央図書館、函館市立図書館、全国樺太連盟北海道支部、小樽商科大学付属図書館で、『職員録』(明治38〜昭和20)、札幌工業学校(現北海道札幌工業高等学校)、米沢工業、秋田工業、山形工業卒業生名簿、『工学院卒業生名簿 自第一回至第九十九回』、東京高等工業一覧(大正3〜15)や日本建築学会会員名簿(大正10〜昭和18)、「樺太日日新聞」(明治43〜昭和13)「北日本新聞」(明治43〜44)など19件を収集し、以下の点を明らかとした。 樺太民政署時代(明治38年7月〜40年3月)の行政機構は、長官官房のほか民政部、水産部、事業部の3部で、「建築の修繕設備」は事業部が担当、技師は陸軍技師兼任田村鎮、嘱託技師橋本勉(明治39年7月〜12月)、技手岩田房次郎、岩本教太郎、五十嵐正道、長谷川吉次郎の在任が確認された。樺太庁時代になって、長官官房ほか2部(明治42年5月第三部新設)第一部、第二部のうち、第一部の建築課が営繕を担当するが、明治43年11月廃止され、土木課建築係となり、昭和11年11月に営繕課として独立するまで土木課に組み込まれていた。この間大正2年12月、第一部は内務部、第二部は拓殖部(大正3年11月廃止、内務部と統合)、第三部は警察部と改称した。この期の技術者は、民政署時代の岩田、岩本、五十嵐3技手のほか、技師として湯川甲三(明治41年11月〜44年11月在任)、井川健二郎、岩城末蔵、相田惣一郎、大原登一郎、佐藤荘助、吉川彦次郎ら6名の在任が確認された。 本年度予定の「王子製紙紙の博物館」所蔵資料については同施設の都合により10年度調査とし、樺太庁鉄道事務所については、『年報』(大正11年度〜昭和6年度)などの資料収集にとどまった。
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