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1998 年度 実績報告書

神仏分離による社寺景観の変容に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09650699
研究機関京都大学

研究代表者

藤澤 彰  京都大学, 工学研究科, 助手 (10190026)

キーワード神仏分離 / 神仏習合 / 神社 / 神社建築 / 社寺 景観 / 出雲大社 / 廃仏 / 復古
研究概要

前年度は、江戸期の神仏分離政策の事例として出雲大社(島根県簸川郡大社町)をとりあげ、慶長14年(1609)と寛文7年(1667)におこなわれた造営を比較検討した。今年度は、神仏分離を実施した出雲大社の寛文度造営の詳細な経過をたどりながら、社会的背景を考察した。その結果明らかになった点は以下のとおり。
1. 国造家を代表とする神官層と本願(戦国期以降造営事業を主導した僧侶)の対立は、はじめ潜在化していたが、所領をめぐる経済的な問題と、造営における主導権をめぐって顕在化した。
2. 造替における神仏分離実施には、幕府の許可と松江藩の強力な後押しが必要だった。
3. 松江藩主松平直政は藩儒に黒沢弘忠を登用して、廃仏・神儒一致を推進した。
4. 神仏分離政策の第一は仏教建築の排除であるが、理論武装の一助として文庫を創設し、神道書を収集したことは見逃せない。
5. 神仏分離の構想のもとで、復古も唱えられたが、完璧を期すようなものではなく、寛文度本殿は仏教色の強い慶長度本殿の形式を踏襲するなど便宜的なものであった。
6. 建築上の神仏分離とは、当時の仏教建築と意図的に差異化をめざして建築をデザインすることにとどまり、それは古代に本殿建築が成立したときの志向に通有するものがある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 藤澤彰: "出雲大社の宝治・慶長・寛文度造営頃の境内建築の復元について" 古代文化研究. 6号. 1-49 (1998)

  • [文献書誌] 藤澤彰: "出雲大社の慶長度造営本殿について" 日本建築学会計画系論文集. 第506号. 149-154 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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