研究概要 |
当初掲げた研究計画の内容については概ね遂行できたと考える。 1, 手元に実測データのあるシトー会修道院の回廊の分析用平面図の作成を概ね終了し、マイラー・フィルムで第二原図を作成し保管・整理し得た。同時に回廊分析の基礎となる教会堂平面の実測図についても、既に作成してあった図面を墨入れ浄書し、マイラー・フィルムで保管・整理した。 2, 作成した回廊および回廊各部の実測図面の幾何構成図式の分析を幾つか行い、教会堂平面で既に得られたのと類似の分析結果を得た。教会堂平面についても、浄書した実測図を基に幾つかのものについて分析・考察を継続し、回廊分析の基礎となる知見を得、回廊分析の方法を確立し得た。 3, 計算機を用いた尺度導出法を実情にあわせて改善し得た。 4, 回廊および教会堂平面の基礎図形・幾何構成図式・尺度の総合的な分析・検討を幾つか行い得た。 5, 実測データ、実測平面図、分析図等の整理・保存・ファイル化は概ね終了できたが、回廊および回廊各部については、墨入れの浄書は総ては終了できなかった。 6, 関係図書・資料・文献は、どこまで集めれば良いということはないが、重要なものは概ね収集できた。 7, 実測平面図、実測データ、分析図等の国外の関係機関への寄贈は、現在準備中である。 8, 研究成果の発表は、回廊分析の基礎となる教会堂平面分析についてのものを幾つか建築学会に発表した。これらに依り分析手法がほぼ確立した。回廊についても幾つかのものについて既に分析を完了し、発表可能な状態になっているが、時間的な関係で今回の研究期間内には行い得なかった。
|