本年度の研究作業及びその内容は、主として堀口捨己氏の残された建築設計図書の再整理から始めることとなった。この図面図書の再整理のために多くの時間を割くことになったが、この作業により概ね全体量を把握することが出来た。 建築毎に図面の整理(順序整理・年代・内容別等)、若干の補修、簡単な建築毎の種別ファイリング、そしてこの作品の設計年代順整理、作品の整理番号付け(分類とナンバーリング)である。図面の種類としては、学生時代の厚て洋紙、これにエンピツによるスケッチ、着彩されたものから始まり、大正期末期、昭和初期の競技設計に参加された作品など、用紙の種類、サイズも種類が多い。ここまでのものはほぼ保存状態はまあ良好といえる。 トレーシングペ-パ-にエンピツ仕上げによるもの、和紙にインク(墨)によるものなどである。漸くこれが一通り各図面に番号カードを張り付け整理が着き筒ある。出来上がった図面から、専門業者に依頼してマイクロ撮影をスターとさせた。 しかし時代の判定の着かない作品もかなり現れる。これらの時代判定はこの研究の目的でもあるが、現在今年度は別番号を与え保留扱いとした。 今年度は第一期分として、およそ十分の一が進行した。この内容は図面1枚につきロールフィルム1カット、マイクロフィシュ1枚、CHスケール二分の一、及び特に重要な作品に限り原寸大コピー(第2原図)の作成となっている。またこれらをベースにして、データベース化が藤岡研究室と協力して進行中である。
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