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1998 年度 実績報告書

北部九州を中心とした炭鉱関連施設に関する建築学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09650707
研究機関近畿大学

研究代表者

川上 秀人  近畿大学, 九州工学部, 教授 (10038052)

研究分担者 松岡 高弘  有明工業高等専門学校, 助教授 (60238988)
キーワード炭鉱主の住宅 / 貝島家 / 蔵内家 / 筑豊 / 職員社宅 / 三池炭鉱 / 近代化遺産 / 三井鉱山
研究概要

炭鉱主の住宅として、旧貝島嘉蔵邸(福岡市)と旧蔵内次郎作邸(福岡県築上郡築城町)の実測調査を行った。
旧貝島邸は当初、直方市に建設され、大正4年5月に新築落成披露宴を行ったが、昭和2年に現在地に移築された。移築関係の書類・設計図から、2階建の西洋館を移築せず和洋折衷の洋間を新築し、仏間の位置と向きを変える等の変更はあるが直方時代の姿でほぼ忠実に移築されていることを明らかにした。尚、当家がかつて所有していた別邸(奈多・地行・平尾・友泉亭、現福岡市内)の平面図を発見し、現在分析中である。当住宅は昨年度調査を行った大正5年の旧貝島六太郎邸と共に、現存する炭鉱主の住宅の中で、明治末期から大正半ばを繋ぐ位置にあり、旧貝島邸が炭鉱主の住宅の中で重要な地位を占めると考えている。
旧蔵内邸は大正7年の棟札や小屋内の柱頂部に張られた新聞紙の日付から大正5年頃から大正9年頃まで増築を重ねて現状の形態になったことを明らかにした。そして、当初は2階建と平家建の座敷棟が鍵型に繋がる構成であったと推測した。尚、明治20年撮影という古写真からもこのことが確認され、明治20年に拠れば最古の炭鉱主の住宅となり、極めて貴重と言えよう。
旧貝島邸・旧蔵内邸の現状と建設の経緯等について日本建築学会九州支部で口頭発表を行った。
社宅では大牟田市の三井三池鉱業所の調査を行い、『三井鑛山五十年史稿』18巻所載の「間取圓沿革」の大正15年前後の「丙」、昭和15年前後の「乙」に類似するもの、また、戦後普及する「5級A型」「5級B型」「5級C型」「6級ハ型」に該当するものを確認した。現在までに40数棟の調査を行い、平面構成を主として分析を行っている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 松岡高弘・川上秀人・高畑秀: "旧貝島六太郎邸の建築について-貝島家の住宅について(その3)-" 日本建築学会大会学術講演梗概集. F-2. 391-392 (1998)

  • [文献書誌] 松岡高弘・川上秀人・高畑秀: "旧貝島六太郎邸の復原について-貝島家の住宅について(その4)-" 日本建築学会大会学術講演梗概集. F-2. 393-394 (1998)

  • [文献書誌] 川上秀人・松岡高弘・松本誠一・高畑秀: "旧貝島六太郎邸の家具について" 近畿大学九州工学部研究報告. 第27号. (1999)

  • [文献書誌] 森山恵香・松岡高弘・川上秀人・高畑秀: "旧貝島嘉蔵邸の建築について-貝島家の住宅について(その5)-" 日本建築学会九州支部研究報告. 38・3. (1999)

  • [文献書誌] 高畑秀・森山恵香・松岡高弘・川上秀人: "旧蔵内家住宅の建築について" 日本建築学会九州支部研究報告. 38・3. (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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