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1998 年度 実績報告書

超高圧力下のB2型規則相NiAl中の拡散とその機構

研究課題

研究課題/領域番号 09650717
研究機関大阪大学

研究代表者

南埜 宜俊  大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30116107)

キーワード拡散 / NiAl相 / 金属間化合物 / 高圧力 / B2型規則構造 / 活性化体積 / 活性化エネルギー / 濃度距離曲線
研究概要

組成(Ni-43.6at%AlからNi-51.6at%Al)を持つNiA1合金とNiAl-Fe,NiAl-Ti,NiAl-Mn合金を溶製し3種の拡散対を作製した。常圧力下及び3GPaまでの高圧力下で拡散焼鈍した拡散対内の濃度分布をEPMAで測定し、その濃度分布からHallの方法により拡散係数を決定した。(∂lnD)/(∂P)=-(ΔV_D)/(RT)+r_GK_γを用いて、拡散係数の圧力依存性から、超高圧力下のNiAl相中の化学量論組成での拡散の活性化体積ΔV_Dを得ることが出来た。ΔV_Dは、拡散の活性化状態の情報を与え拡散に寄与する格子欠陥に対応した値を示し、拡散機構を解明する上で有力かつ重要な量である。得られたΔV_D(m^3/mo1)を以下に示す。NiAl中のMnの1623KでのΔV_D(m^3/mol)は43.6at%Alで4.11×10^<-6>、45.8at%Alで5.87×10^<-6>、47.5at%AIで6.70×10^<-6>、49.8at%Alで7.08×10^<-6>、50.8at%Alで3.l0×10^<-6>、51.3at%Alで2.49×10^<-6>、Feの1548KでのΔV_Dは44.3at%Alで3.27×10^<-6>、46.8at%Alで4.65×10^<-6>、48.8at%Alで5.50×10^<-6>、49.5at%Alで6.06×10^<-6>、50.7at%Alで5.50×10^<-6>、51.4at%Alで3.24×10-6、Tiの1598KでのΔV_Dは44.0at%Alで5.54×10^<-6>、46.9at%Alで6.06×10^<-6>、49.7at%Alで7.71×10^<-6>、50.8at%Alで5.86×10^<-6>、51.4at%A1で3.10×10^<-6>であった。化学量論組成でのΔV_Dは最も大きく約(6.0〜7.7)V_0である。ここでV_0は原子のモル体積である(V_0=7.24×10^<-6>m^3/mol)。これらの値は拡散が複空孔を媒介とした複雑な拡散機構により生じていることを強く示唆するものである。また、化学量論組成からNi-rich側では緩やかにAl濃度の減少と共にΔV_Dが低下してり、複空孔に加えて単空孔が拡散に寄与していること意味している。一方、Al-rich側ではΔV_DがAl濃度の増加に従い急激に低下しており、Niの構造空孔が拡散に寄与し空孔の生成が必要ではなく、拡散には移動の活性化過程を考えればよいことを示唆している。このように本研究でNiAl中の拡散機構が解明された。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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