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1998 年度 実績報告書

構造用セラミックスのき裂進展の動的観察と微構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 09650728
研究機関山形大学

研究代表者

菅野 幹男  山形大学, 工学部, 教授 (60007002)

研究分担者 岡崎 勝利  山形大学, 工学部, 助手 (70007251)
キーワードSi / SiC焼結体 / 常圧Si_3N_4焼結体 / き裂進展抵抗曲線 / 動的観察 / ブリッジング形成機構 / 微構造解析 / 小型引き裂き試験装置
研究概要

平成10年度に実施した内容に基づき,下記の事項が明らかとなりました.
(1) 前年度製作の小型試験片用引き裂き試験装置に改良を加え,試験荷重と変位を連続的に検出・記録できるようにしました.その結果,き裂進展抵抗とき裂長さの関係を解析・評価できるようになりました.Si/SiCと常圧Si_3N_4焼結体のき裂進展抵抗曲線を求め,両材の曲線は漸増型の傾向を示すことが分かりました.
(2) Si/SiC試験片のslow crack growth現象をその場観察し,主き裂の進展挙動を動的に追跡しました.主き裂はき裂先端周辺に生成するマイクロクラックとブリッジングを形成しつつ,マイクロクラックがある大きさに成長すると連結・合体して材料破壊に至ることが明らかになりました.
(3) 破断試験片のブリッジング形成領域について実施した走査型電子顕微鏡による破面解析結果から,主き裂の不連続進展とブリッジング形成はSiC粗大粒の存在と密接に関係することが分かりました.主き裂とマイクロクラックの連結・合体は,粗大結晶粒内にリバーパターン破面形態を形成することと関係し,マイクロクラックの主き裂方向への成長によって起こることが判明しました.
(4) 常圧Si_3N_4焼結体についても上述の項(2)と(3)の実験を室温で実施し,組織学的に微構造解析を行いました.Si_3N_4 柱状粒がき裂進展面と垂直に近く配向する場合には,その柱状粒はき裂進展を一時的に停留させる役目を果たすことが認められました.一時停留したき裂は,柱状粒に引き抜き現象を誘起しながらブリッジングを形成しながら進展することが分かりました.この場合,き裂を挟んで上下に対面する破面には引き抜かれた柱状粒の痕跡が多数観察されました.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 来次浩之 他: "アルミナ被覆SUS316Lステンレス鋼の生理食塩水中における疲労強度特性" 高温学会誌. 24. 227-234 (1998)

  • [文献書誌] M.SUGANO et al: "Fatigue Study of Stainless Steel Coated with Plasma-Sprayed Alumina in Physiological Saline Solution" Proc.of ECOMAP-98,Kyoto. 61-70 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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