研究概要 |
(a)原料カーボンコイルの合成:Ni粉末触媒を用い、アセチレン+H_2 チオフェン混合ガスを熱分解してカーボンコイルを合成した。コイル径:1-10μm,コイルピッチ:0.1-0.5μm,コイル長さ:1-10mmのコイルが得られた。(b)マイクロコイル状およびマイクロチューブ状のTiNファイバーの合成:次の二つの方法による合成を試みた。(I)間接合成法:カーボンコイルの気相チタナイジングにより得られたTiCコイルを、N_2+H_2雰囲気中1200℃で熱処理した。反応時間と共にTiCのXRDピークは小さくなり、3時間後では全く観察されなかった。すなわち、TiCのCが高温の窒素雰囲気下でNと置換しTiNが生成した。この際、そのコイル形態はほとんど変化しなかった。反応条件を制御することにより、TiCコイル表面の一部だけ、あるいは芯まで完全にTiN化させることができた。(II)直接合成法:カーボンコイルを直接TiCl_4 +H_2 +N_2雰囲気中、1000-1500℃で処理した。いずれに反応温度・時間でもTiCのピークは全く観察されず、TiNのピークのみが観察された。すなわち、カーボンコイルはTiCを経由してTiN化されるのではなく、直接同時メタライジング/窒化反応が進行するものと考えられる。反応条件を制御することにより、カーボンコイルの芯まで完全にTiN化できた。(c)その他の金属窒化物コイルの合成:TiNコイルの場合と同様に、TaNおよびNbNコイルの合成を行った。(d)電磁波吸収特性:1-1,000MHzの範囲でのTiNコイルの電磁波吸収特性は、TiCあるいはTiNコーティングすることにより若干向上した。
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