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1997 年度 実績報告書

常温スペクトルホールバーニングガラスの創製

研究課題

研究課題/領域番号 09650734
研究種目

基盤研究(C)

研究機関名古屋工業大学

研究代表者

野上 正行  名古屋工業大学, 工学部・材料工学科, 教授 (90198573)

研究分担者 春日 敏宏  名古屋工業大学, 工学部・材料工学科, 助教授 (30233729)
キーワードガラス / ホールバーニング / ゾル・ゲル
研究概要

超高密度記録素子を目指したスペクトルホールバーニング(PSHB)材料の開発が注目されている。、ゾル・ゲル法によるSm^<2+>やEu^<3+>をドープしたガラスの作製とそのPSHB特性について検討した。
Sm^<2+>ドープガラスの作製には、Si(OC_2 H_5)4とAl(OC_4 H_9)_3の金属アルコキシドとSmCl_3・6H_2Oを用い、通常のゾル・ゲル法によってゲルを作り、500〜900℃に加熱した後、H_2ガスを含んだ還元雰囲気中で加熱してSm^<2+>イオンに還元した。還元条件を選ぶことで、ほとんどSm^<2+>イオンからの発光のみのガラスを得ることができる。また生成したSm^<2+>イオンは経年変化を起こすことはなかった。PSHBの測定は、^5D_0→^7F_2遷移の発光をモニターにして、その励起スペクトル(^7F_0→^5D_0遷移)上で行った。室温でのホールの幅は15cm-1で、その深さは15%程度であった。一方、EU^<3+>イオンをドープしたガラスについても、EU(NO_3)_3・6H_2Oを原料に用いて作成したゲルを空気中で加熱して作製した。色素レーザーを用いて、77Kで測定したホールの深さと幅(FWHM)はそれぞれ、〜15%と〜2cm^<-1>であった。このガラスでは150K付近まで永続的なホールが観測されることを初めて示した。ホールバーニング温度は、まだ少し低いものの、Sm^<2+>ドープガラスのような還元のための操作が必要なく、実用的なメリットは大きい。ホール深さは高温で加熱して作ったガラスほど小さく、ホール深さとガラス中の残留OH基の量との間に良い直線性がみられ、ゾル・ゲル法ガラスのホール形成は、残留OH基と深く関わっていると考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M. Nogami and Y. Abe: "Fluorescence spectroscopy of silicate glasses dopedwith Sm^<2+> and Al^<3+>ions" J.Appl.Phys.81. 6351-6356 (1997)

  • [文献書誌] M. Nogami, Y. Abe: "Spectral hole burning and excited electrons in Sm^<2+>-doped Al_2O_3-SiO_2 glasses" Phys.Rev. B56. 182-186 (1997)

  • [文献書誌] D.H.Cho, K.Hirao, N.Soga, M.Nogami: "Photochemical hole burning in Sm^<2+>-doped aluminosilicate and borosilocate glasses" J.Non-cryst.Solids. 215. 192-200 (1997)

  • [文献書誌] M.Nogami, Y.Abe: "High temperature persistent spectral hole burning of Eu^<3+>-doped SiO_2 glass prepared by the sol-gel process" Appl.Phys.Lett. 71. 3465-3467 (1997)

  • [文献書誌] M.Nogami, T.Hayakawa: "Persistent spectral hole burning of sol-gel derived Fu^<3+>-doped SiO_2 glass" Phys.Rev.B56. 14235-14238 (1997)

  • [文献書誌] M.Nogami, Y.Abe: "Persistent spectral hole burning in Eu^<3+>-doped aluminosilicate glass at high temperature" J.Opt.Soc. B15. 680-683 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2015-04-14  

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