研究概要 |
本研究は、熱可塑性樹脂をマトリックスとしてガラス短繊維を含む高分子複合材料の疲労寿命のデータを集積するとともに,高分子複合材料の疲労のメカニズムを明らかにし,信頼性に富み,迅速な判断が可能な耐久寿命評価方法を確立することを目的とした。以下に本研究で得られた主な成果をまとめた。 (1) 疲労過程におけるアコースティック・エミッション(AE)のモニタリングにより、疲労初期段階および疲労破壊直前にAEが発生していることが明らかとなった。 (2) 疲労途中段階の試験片の光学顕微鏡観察より、疲労初期段階で試験片端部において繊維破断およぴ樹脂クラックを生じ、疲労進行とともに樹脂クラックが試験片内部でも発生していくことが明らかとなった。 (3) 疲労途中段階における試験片厚さ方向の超音波を用いた音速測定により、(2)で述べたクラック発生に対応した音速低下がみられた。すなわち、超音波を用いた音速測定が疲労寿命予測手法として適用できることを明らかにした。
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