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1997 年度 実績報告書

PEN/PETブレンドフィルムの高温延伸過程における構造形成

研究課題

研究課題/領域番号 09650746
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

村上 昌三  京都大学, 化学研究所, 助手 (10260621)

キーワードPoly(ethylene naphthalate) / PEN / PET Blend / Crystallization
研究概要

ポリエチレンナフタレート(PEN)はポリエチレンテレフタレート(PET)を越える高性能素材と云われており.高品質長時間ビデオテープとして既に実用化されている.また,ゴムとの複合化によるタイヤコードとしての開発も行われている.最近,特にPET/PENブレンドによるボトルの開発が活発に行われてきた.これはPETボトルにおいては一回きりの使用のため多量の廃棄が環境問題となっているが,これをPENボトルにして,回収し何回も使用する.すなわち,高温での洗浄・殺菌が可能なためである.しかし,まだPENの原料価格が高く市場製品にまで至っていない.現在PETとPENをブレンドあるいは共重合にすることで,それぞれの特性を生かし,価格を抑えた使用可能な製品としての開発が試みられ,PET/PENブレンドボトルの試作品が作られている.
PETとPENのブレンド試料での結晶化の最適条件および物性を調べるためには,PET,PENそれぞれ同条件下での結晶化および物性を確立しておかねばならない.本年度はこれらの実験を行い,非晶で配向させた試料におけるTg以上の高温延伸においては,両者に大きな違いのある結果を得た.すなわち,PENフィルム試料では応力-歪み曲線において降伏点に達した時,急激に応力降下が起こり,ここでネッキングが生じて同時に急に結晶化が起こる.一方,PETではTg以上160℃までの温度では,応力緩和を伴いながら徐々に結晶化が起こるが結晶化度は低く,このため高温における寸法安定性はPETよりもPENの方がより優れていることが分かった.PET/PENブレンドの結晶構造形成および物性については,現在X線用高温炉の試作およびX線イメージングプレート測定用試料ホルダーの試作を終え実験中であり,平成10年度にはこれらの研究結果を報告する.

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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