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1998 年度 実績報告書

PEN/PETブレンドフィルムの高温延伸過程における構造形成

研究課題

研究課題/領域番号 09650746
研究機関京都大学

研究代表者

村上 昌三  京都大学, 化学研究所, 助手 (10260621)

キーワードPoly(ethylene naphthalate) / PEN / PET Blend / Crystallization
研究概要

ポリエチレンナフタレート(PEN)はポリエチレンテレフタレート(PET)を越える高性能素材であり、高品質長時間ビデオテープとして既に実用化されている。しかし、まだPENの原料価格が高いため市場にはあまり普及していない。そこで、PENとPETをブレンドあるいは共重合して製品価格を下げると共に、それぞれの特性を生かして使用目的に応じた製品設計あるいは構造制御の基礎となる研究を目指してきた。
PETフィルムに関しては既に多くの報告があるので、無配向非晶PENフィルムの延伸による力学特性と構造形成及び構造変化の研究を確立した。これは学会発表及び雑誌に投稿した通りである。PENとPETの物性の大きな違いは、強度がPENの方が約1.5倍大きいことと、TgがPENの方が約50°C高いことである。そこで、PEN/PETブレンド比を色々変えて物性を調べた。ブレンドフィルムの強度はS-S曲線からPENの含有量に応じて直線的に増加した。また、DSCによる測定からどのブレンド試料でもPEN、PET独自のTgは示さず、ただ一つのTgを示した。これはブレンド中にエステル交換反応が起こり共重合体となっていることを示している。そして、PENの含有量に応じてTgが直線的に高くなった。また、結晶化開始温度もPENの方がPETより高いため、そのブレンドフィルムはそれぞれの含有量に応じて高くなっている。しかし、PEN/PETブレンド比が50/50の試料では結晶化度は低く発熱量も融解熱量も低い。そこで、ブレンド比50/50のフィルムを50℃で4倍延伸して配向させて非晶試料を作り、温度を上昇させて結晶化させると、X線測定から明確な回折ピークが現れた。この回折ピークの位置はPETのピーク位置とPENのピーク位置とが重なって現れており、PEN/PETブレンドフィルムの配向結晶化によってPENとPETが良くブレンドされブロック構造となった結晶性フィルムを作り得ることを示した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 村上昌三: "ポリエチレンナフタレートの延伸による構造形成" 高分子加工. 47・5. 31-37 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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