研究概要 |
平成9年度は、タブテ-ル雄部に適用する材料系として、繊維を二次元的に配置した積層型C/C複合材料,積層型に厚さ方向の強化を目的としてピンを打ち込んだ擬似三次元型C/C複合材料,ならびに積層方向の異なる二次元積層材料について実験を行った。また、タブテ-ル雌部に適用する材料系としては擬似等方積層した材料を用いた。 試験ではC/C複合材料製雄部と金属治具,C/C複合材料製メス部と金属治具,および雄部・メス部共C/C複合材料製の三条件で引張試験を実施し、雄部およびメス部の個々の最大加重負担能力の評価および一体とした場合の加重負担能力について評価を行った。 積層型並びにピン打ち込み型のダブテ-ル雄部試験片では、いずれの場合も積層界面における界面剪断破壊が支配的であり、ピン打ち込みによっても著しい改善は認められなかった。一方、積層方向を90°回転した場合のアダデ-ル雄部試験片では、試験片肩部における積層面内の剪断破壊が支配的であり、その荷重負担能力は前述の試験片に比べ高い値を示した。また、試験片形状を変化させた場合にも、破壊形態が変化しないことが確認された。 これらの試験結果と有限要素法による解析をもとに、ダブテ-ル部雄部の破壊基準を検討した結果、材料中には応力集中には応力集中が発生しているにもかかわらず、剪断破壊面にわたっての平均剪断応力が一定値に達した場合に破壊が起こる、いわゆる「平均応力基準」が適用可能であることが明らかになった。
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