研究概要 |
昨年度に実施した二次元強化型ダブテールの結果を受けて、本年度は積層構成の異なる三次元強化C/C複合材料製のダブテールを試作し性能評価を行った。試験はC/C複合材料製雄部と金属治具,C/C複合材料製メス部と金属治具,および雄部・メス部共C/C複合材料製の三条件で引張試験を実施し、雄部およびメス部の個々の最大加重負担能カの評価および一体とした場合の加重負担能力について評価を行った。これは、接触部の摩擦係数が力学的挙動におよぼす影響が大きいことが予想されるためである。引張試験時には、アコースティックエミッション(AE)の計測を行い、材料内部に発生する微視的な破壊についても検討した。 その結果、高い繊維体積率を有する材料ほど高性能であること、ならびにダブテールの肩部角度が30゚の場合に最も高い強度を示すことが明らかになった。また、肩部における摩擦係数の違いが、最終的な特性には大きく影響しないという結論を得た。さらに、有限要素法による応力解析の結果、材料の引張強さを越える高い応カ集中にもかかわらず、ダブテールが最終的な破壊をしていないことが明らかになった。これは、C/C複合材科内部に存在する欠陥が、応力集中を緩和していることによるものと予想された。
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