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1998 年度 実績報告書

3d遷移金属を固溶したFeアルミナイドの相安定性と高温強度

研究課題

研究課題/領域番号 09650759
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

西野 洋一  名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (50198488)

キーワード金属間化合物 / Feアルミナイド / 相安定性 / 高温強度 / 機械的性質 / サイト選択 / 電気抵抗 / 相変態
研究概要

Fe_3Alをベースとした擬二元合金(Fe_<1-x>M_x)_3Alについて,各種の遷移金属Mで置換することによりB2構造に対するD0_3構造の安定性を制御し,さらに高温強度の向上を達成し得るかどうかを追究した結果,以下の知見が得られた.
1. 擬二元合金(Fe_<1-x>M_x)_3Alにおいて,とくにM=Vで置換した場合には広い組成範囲でDO_3単相状態が得られる.このとき,ホイスラー組成Fe_2VAl(x=0.33)までは格子定数が組成とともに減少し,規則度は上昇する.さらに,電気抵抗測定により決定したD0_3-B2変態温度は組成とともに著しく上昇しており,Fe_3Al二元合金と比べて400K以上も高くなる.このようなDO_3構造の安定化は,置換原子Vのサイト選択性に起因している.
2. Vで置換した合金について圧縮試験を行ったところ,極めて微量の置換によって,室温での降伏応力はFe_3Alの半分以下まで低下した.V組成の増加とともに,固溶硬化によって降伏応力は増加していくが,x=0.2付近の組成からは再び減少しており,ホイスラー組成(x=0.33)で最小値をとる.このような降伏応力のV組成依存性は,固溶硬化と規則化による軟化の兼ね合いによるものである.
3. 高温圧縮試験により降伏応力の温度依存性を調べた結果,Fe_3Alでは従来から知られているように,D0_3-B2変態温度(820K)付近に降伏応力のピークが発現した.一方,Vで置換すると変態温度は大幅に上昇するが,それとともに降伏応力のピークがより高温側にシフトしていくことを明らかにした.最近の研究によれば,Fe_3Alにおける強度ピークの発現とDO_3-B2相変態との関連性については否定的な報告がなされているが,本研究の結果は,むしろ相変態との直接的な関連性を支持している.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.Nishino: "Solute Effects on the D0_3-B2 Transformation Temperature of Fe_3Al." Proc.4th Special Symposium on Advanced Materials. 385-388 (1998)

  • [文献書誌] 加藤雅章: "(Fe_<1-x>V_x)_3Al合金の電気抵抗異常とホール効果" 日本金属学会誌. 62・7. 669-674 (1998)

  • [文献書誌] Y.Nishino: "Effect of Molybdenum Substitution on Phase Stability and High-Temperature Strength of Fe_3Al Alloys." Philosophical Magazine Letters. 78・2. 97-103 (1998)

  • [文献書誌] Y.Nishino: "Electrical Resistance Anomaly in Fe_3Al-based Alloys." Materials Science and Engineering A. 258・1-2. 50-58 (1998)

  • [文献書誌] S.Kustov: "Strain Amplitude-Dependent Anelasticity in Cu-Ni Solid Solution due to Thermally Activated and Athermal Dislocation-Point Obstacle Interactions." Journal of Applied Physics. 85・3. 1444-1459 (1999)

  • [文献書誌] 西野洋一: "薄膜の力学特性の評価-内部摩擦の振幅依存性による研究-" 金属. 69・2. 110-116 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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