実装方式は、バンプと言うマイクロコネクタを用いた接続へと移行する。次世代表面実装材料としてのバンプの形状を決める電気めっき時の電流密度分布に注目し形状加工を検討した。 1. バンプ形状とレジスト側壁角度(平成9年度): レジスト側壁角度と物質移動との関係について検討した。拡散が物質移動を支配する場合、物質移動がカソードコーナー部分に集中する。負の側壁角度ではこの物質移動を遮蔽し、カソード端部での電流密度を減少させる。対流が物質移動を支配する場合、上・下流端のレジストコーナー部分に剥離渦が発生する。負では剥離渦が増大し、カソード端部での電流密度を減少させる。 2. 高ペクレー数でのバンプ形状(平成9年度):ペクレー数と物質移動との関係について検討した。カソード長さが30ミクロンの場合、ペクレー数が数 1000では上・下流端に独立した2個の剥離渦を発生する。しかしながら、ペクレー数が7311ではこの2個の刹離渦がカソード中央部分で融合し出す。さらにペクレー数が44500となると、融合して大きな単一の剥離渦となる。この大きな単一の剥離渦がカソード中央部での物質移動を促進し、電流密度を増大させる。 3. 高アスぺクトバンプの形成条件(平成10年度): アスぺクト比と物資移動とについて検討した.高アスぺクト比のキャビテイへのバンプ形成に関し、数値流体解析で拡散律速下の電流密度分布を解析した.アスぺクト比が大きくなると、電流密度分布は頂点が鋭く対称となる。キヤビテイ外部の対流は内部を攪拌しない。 4. CSP実装に用いる高いアスぺクトバンプ(平成10年度): アスペクト比と物質移動とについて検討した.アスぺクト比の大きいキャビテイへのバンプ形成実験を行った。アスペクト比が1.0のキャビテイでは、カソードの設置角度の増大に伴いバンプの下端が盛り上がった。カソード上の密度差対流のため、キャビテイ外で大きな渦を発生する。再びキャビテイ内へと流入し、バンプ下端に衝突しバンプ下端部が盛り上がる。 5. バンプ形状制御と添加剤-その実用特性(平成10年度): バンプ高密度接続では、周辺の盛り上がったバンプ形状が異方性導電膜中の導電粒子をより多く捕獲し接続特性を向上させる。セレン酸の添加が効果があり、形状変化は二次電流密度分布で説明出来る。
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