研究概要 |
予備的測定として,大気中にてシリコンウエファとアルミニウム箔との超音波接合を行った。その結果,接合圧力の増加に従ってほぼ直線的に接合強さは増大していったが接合圧力のばらつきは大きく,接合しない場合もあった。この結果は従来の報告と一致しており,そのばらつきの原因を調べるために減圧下あるいは真空中での超音波接合を実施した。まず,大気圧を調節するために真空容器を試作したが,到達真空度は最大で10^3Pa程度であり,目標とする真空度には到達しなかった。そこで,種々の工夫を行ったが,現在のところ,真空度の向上は得られていない。次いで,この減圧雰囲気中での超音波接合を行った。大気中での超音波接合の結果との比較のため,10^3Paの減圧下でシリコン/アルミニウム箔の超音波接合を実施した。その結果,接合の強さの最大値は大気中接合の場合とほぼ同一の値であったが,この強さの一致は,接合強さがアルミニウム箔の強さを上回ったためと推定された。また,強さのばらつきは減少することが認められたが,依然としてそのばらつきは大きかった。 今後,真空容器の真空度の向上を図るとともに,シリコン/銀箔,あるいはシリコン/金箔の組み合わせを用いて大気中並びに真空中で超音波接合を実施し,接合特性に及ぼす接合材の材質及び雰囲気の影響について明らかにしていく。
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