研究概要 |
寸法15x10x(1or2)mmのTiAl試料に、加速電圧主に50keV、注入量主に10^<21>ions m^<-2>でAr,Al,Si,Cr,Nb,MoおよびZrをイオン注入し、大気圧下の純酸素中、保持温度1200Kでの繰り返し酸化試験および等温酸化試験を行った。注入したままの試料および所定条件下で酸化させた試料について、薄膜X線回折、X線回折、SEM、AES,EPMAなどを用いて、注入元素の深さ方向分布および酸化生成物の組織学性状調査を行った。 得られた結果は次のようにまとめられる。Ar,Crの注入は酸化を加速する。Al,Siの注入は酸化初期にその速度を下げるが、その後加速酸化する。Siのほうが効果は大きい。Nb、Moの注入は,Al_2O_3スケールを形成し、耐酸化性を非常に向上させる。Nbの注入量を減らすとその効果は下がる。Mo注入の場合加速電圧をあげても同様の効果がある。Zrの注入は酸化初期に耐酸化性を向上させる。加速電圧の影響は小さいが、注入量を上げると効果は上がる。その後スケールの部分的剥離が繰り返され、スケールの保護性が失われる。
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