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1998 年度 実績報告書

高性能・高品質レーザ加工法確立のためのポロシティの生成挙動と湯流れ現象の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09650788
研究機関大阪大学

研究代表者

片山 聖二  大阪大学, 接合化学研究所, 助教授 (10144528)

研究分担者 松縄 明  大阪大学, 接合化学研究所, 教授 (20029119)
キーワードレーザ溶接 / 溶接現象 / 溶接欠陥 / キーホール / ポロシティ / X線透視映像法 / プラズマ / 湯流れ
研究概要

前年度は、X線透視映像法を用いてレーザ溶接時のキーホール挙動と気泡およびポロシティの生成状況の観察を行い、キーホールが激しく変動して、その先端底部近傍から気泡が盛んに発生し、それがポロシティとなることを明らかにした。本年度は、炭素鋼、アルミニウム合金およびステンレス鋼を用い、ヘリウム、窒素またはアルゴンシールドガス中で大出力CO_2レーザ溶接を用い、溶接ビード上のプラズマ/プルーム挙動と溶接池内部のキーホール挙動を示すX線透視映像を2台の完全同期高速度カメラで同時観察を行い、プラズマ挙動とキーホール挙動との相関性について検討した。また、両者の挙動とポロシティの生成・低減との関連ならびにそれぞれに及ぼす各種シールドガスの影響についても検討した。さらに、アルミニウム合金とステンレス鋼での溶融池内部での湯流れ現象について比較検討した。その結果、(1)ヘリウムシールドガス中では、プルームが大きくなるのとキーホールが深くなるのがほぼ同時であるが、一方、プルームが大きいまま存続するとキーホールは浅くなった。(2)アルゴンまたは窒素シールドガス中では、連続レーザ照射にもかかわらず、ガスプラズマの生成により、パルスレーザー溶接のようにキーホールが周期的に消失することが判明した。(3)パルス的挙動の周期は、金属材料によって異なり、窒素ガス中では、周期の比較的短いアルミニウム合金とステンレス鋼においてポロシティの生成割合が著しく低減することが判明した。(4)アルミニウム合金の方が湯流れが広範囲に起こっており、気泡は、密度差によって浮上するのではなく、激しい蒸発等に起因する湯流れによって流動・浮上していることがわかった。以上、ポロシティの生成挙動と湯流れ現象が明らかになり、高品質レーザ加工法確立のための知見が得られた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 瀬渡,片山ら: "X線透過法によるレーザ溶接時のキーホール現象とポロシティ生成挙動の観察" 第44回レーザ熱加工研究会論文集. 44. 7-13 (1998)

  • [文献書誌] 松縄,片山: "レーザ溶接におけるキーホールダイナミックスのリアルタイム高速度観察" レーザー研究. 26・11. 783-788 (1998)

  • [文献書誌] S.Katayama,A.Matsunawa: "Formation Mechanism and Prevention of Defects in Laser Welding of Aluminium Alloys" Proc.6th CISFFEL,. Vol.1. 215-222 (1998)

  • [文献書誌] S.Katayama,A.Matsunawa: "Laser Weldability of Zn-Coated Steels" Proc.6th CISFFEL. Vol.1. 233-240 (1998)

  • [文献書誌] 片山,瀬渡,金,松縄: "X線透過映像法によるキーホールレーザ溶接現象の観察-湯流れの可視化-" 溶接学会全国大会講演概要. 第62集. 108-109 (1998)

  • [文献書誌] 片山,瀬渡,松縄: "レーザ溶接時のポロシティ生成挙動のX線透視映像リアルタイム観察" 溶接学会第165回溶接法研究委員会資料. SW-2604-99 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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