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1997 年度 実績報告書

電子の浸透熱源作用による金属粉末微細皮膜の形成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09650797
研究種目

基盤研究(C)

研究機関近畿大学

研究代表者

富江 通雄  近畿大学, 理工学部, 教授 (60029139)

研究分担者 阿部 信行  大阪大学, 接合科学研究所, 助教授 (90127176)
森本 純司  近畿大学, 理工学部, 助教授 (30088471)
キーワード電子ビーム表面改質 / 浸透熱源作用 / 金属表面改質 / 粉末溶融表面改質 / 高電圧電子ビーム熱加工
研究概要

研究代表者らが試作開発を行った,ビーム加速電圧500kVの超高電圧電子ビーム熱源装置を用いて,浸透熱源作用を有する500kV電子ビームを照射し,母材上に布置した溶射用粉末材料(厚さ0.3,0.4mm)と母材の一部を溶融することによって,金属材料の高品質表面改質を試みた。施工方法はビーム出力(0.35〜3kW),ビーム直径(4〜7mm)及びビーム走査速度(1.5,2mm/s)を変化させて,高真空中でビーム照射を行い,高品質の溶融ビ-ド形成の可能性を明らかにした。以下に得られた結果の要約を示す。
(1)80%Ni-20%Cr合金粉末の使用試料に対し,ビーム密度分布を調整することによって,溶込みの均一な,スパッタリング並びにポロシティ等の凝固部欠陥の極めて少ない,厚さ数百μmの均質固溶の溶融ビ-ドが得られている。
(2)炭素成分の多い母材(SK4)の場合,溶融ビ-ド横断面のビッカース硬さHvは約200となるが,母材の熱影響部の最高硬さHvは約800前後で,急熱急冷による焼入れ組織のマルテンサイトが現れている。逆に,炭素成分の少ない母材(SM400)では,溶融ビ-ド断面の硬さHvは約180を示し,熱影響部の最高硬さHvは約330となり,ベイナイト組織が現れている。
(3)粉末使用試料の溶融ビ-ドに対して,EPMA分析の結果,ビーム走査速度が1.5mm/s,2.0mm/sの両者共,溶融ビ-ド中におけるFe,Ni,Cr元素成分の差はほとんど無く,均一に分布している。さらに,定量分析の結果より,低速ビーム走査時の溶融ビ-ド中のFe,Ni,Cr元素の含有率は,それぞれ30%台,40%台,10%台のものが得られている。
以上のように,布置する合金粉末成分を調整することによって溶融ビ-ドの合金皮膜は耐食性の極めて良好なものが得られことが推察される。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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