研究概要 |
1. データ定量解析法の研究(研究代表者) 画像処理ソフトIMAGE-PRO PLUS(MEDIA CYBERNETICS社製,米国)を購入し,WindowsBit Map(BMP)方式によりデータ処理ソフト(平成9年度購入,理学電機(株)製、CONTROL-WIN)から画像処理ソフトへの画像データ転送を可能にした. 結晶粒数については15μmの粒径では正確に計数できることを標準粉末で確認した.粒の大きさ(粒サイズ)については, 15μmの粒径の標準粉末を用い,データのバラツキが大きいが,半定量性があることを確認した. 2. 添加合金の影響の解析(研究代表者&研究分担者) (1) Al-高Mg合金の再結晶過程の常温測定 放射光極点図動的測定法により,高温熱処理で生じた粗大粒の極点図も粒の投影図として得られた.Mg量が6〜7%の範囲ではAl-5%Mg合金と同様でND-rotated cubeが主方位であるが,Mg量が〜9%の試料では立方体方位に由来するパターンを示した. (2) 高純度Alの再結晶後粒成長過程の高温解析 一例として450℃保持の10個の粒についてX線積分強度の変化をCONTROL-WINにより解析し,粒のX線積分強度が正確に計測できることが確認できた.結晶粒のX線積分強度は粒体積に対応し,粒サイズの変化を示す. 10個のうち2個の粒は等温保持により消滅し, 1個はサイズを著しく減少し微小粒化したが,他の7個の粒はサイズが20〜30%程度の範囲内で増加または減少した後,ほぼ一定となった.このように高温での個々の結晶粒のX線積分強度の変化が動的に観察できた. 3. 今後,粒の歪み解析,結晶粒サイズ別の極点図の作成法の検討を行う
|