研究課題/領域番号 |
09650803
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三村 耕司 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (00091752)
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研究分担者 |
石川 幸雄 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (40250823)
一色 実 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (20111247)
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キーワード | 高純度金属 / 残留抵抗比 / 純度評価 / 比抵抗 / 真空焼鈍 / サイズ効果 / 伝導電子 / 銅 |
研究概要 |
本年度は主に高純度銅を対象に、残留抵抗比により精確な純度評価を行う際の、真空焼鈍条件およびサイズ効果の影響を詳細に検討した。以下、得られた結果を記す。 1.純度99.999%(5N)及び99.9999%(6N)の2種類の高純度銅を試料に、線材試料(直径0.2〜2mm)を作製し、電解研磨後、実験に供した。 2.残留抵抗比前に行う高真空焼鈍に関しては、焼鈍温度が923K、焼鈍時間は4h以上が最も良好であった。これ以上温度が低い場合は、ひずみ等の物理的欠陥の排除が不十分であり、一方焼鈍温度がより高い場合は、焼鈍雰囲気または容器からの汚染による残留抵抗比の低下が確認された。 3.最適条件下で真空焼鈍した各線材試料で得られた残留抵抗比(RRR_W)は、線材試料の直径(dmm)に対し、次式の関係が認められた。RRR_Bは試料直径を無限大と RRR_W^<-1>=RRR_B^<-1>+(3.8×10^<-5>)・d^<-1> した時のバルクの残留抵抗比値を示す。この関係は5N銅、6N銅でともに成立し、高純度銅におけるサイズ効果の影響が明瞭に確認された。 4.このサイズ効果により、純度が高い銅ほど残留抵抗比に対する測定試料直径の影響が相対的に大きくなることが分かった。したがって、残留抵抗比(RRR_W)が5000以上の高純度銅の純度評価・純度比較を行う際には、測定時の試料直径の明確化、さらにバルクでの残留抵抗比(RRR_B)による評価・比較を行う必要があることが明らかにされた。
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