研究概要 |
1. あらかじめ帯電した粒子を音場の作用下で凝集させるための実験装置を設計した.小径粒子(2〜10μm)と大径粒子(50〜70μm)をコロナチャージによって逆の電荷で帯電させた後,それらを随伴ガスによって音場の作用空間へ輸送する.その後,それらを捕捉し,粒子径を光学顕微鏡と画像処理ソフトウェアによって決定した. 2. 予備実験の結果、キャリアーガス(窒素)で非電導性物質(ZnO,Fe_2O_3,Al_2O_3)の微粒子を実験用空間内に送り込むと、静電気によって制御困難な程に粒子の凝集が起きることが判明した。そのため、2〜10μmの範囲に粒子を均一分散させることが困難であった。この実験から、問題解決のための粒子分散法として、予め粒子を液体窒素中に分散させた後に窒素を蒸発させる方法を考案するに至った。 3. 抵抗炉を用いて実験温度を1300℃に設定し、アルミナ製反応管内のアルミナるつぼ中で約1500gのFe-C合金を溶解した.上方からAr-O_2混合ガスを吹き付け、また反応管内に音波を0.1-10kHzの周波数範囲で印加して脱炭反応(2[C]+O_2=2CO)をおこさせた。反応管からの排気ガスに残留する粒子を捕捉して調査した結果,脱炭反応において発生ずるダストはヒューム系ダスト(粒径<1μm)と大径粒子(粒径>50μm)から成ることがわかった. 4. あらかじめ帯電させた粒子を音場の作用下で凝集させる際の数学的モデルを展開した.音波はその周波数で小径粒子を振動させる.その粒子が大径粒子に近接すると電気的引力が増すため,結果として凝集効率の向上に至ることを明らかにした.
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